冬4 ベタな別れの言葉「他に好きな人ができたの」を食らう

別れ

「私達別れよっか?」彼女の口から別れの言葉

モツ鍋が沸々と音を立てて野菜を飲み込んでいく。ちょっと火力が強すぎる気がした。

「私達別れよっか?」

彼女は表情なくそう言った・・気がする。

彼女からの言葉を理解するまでの数十秒間、俺は煮えたぎる鍋の中をじっと見つめていた。

彼女が取り分けてくれたモツ鍋がテーブルの俺ゾーンに置かれた。

「えっ?あれ?なんか今変なこと言わなかった?」

俺は聞き返す。満員の店内はとても賑やかで騒がしい。

もしかすると「モツ多めに入れよっか?」の聞き間違えかもしれない。

すると彼女は少し苦い顔をして再び言う。

魚「私達もう別れよう。」

(ああー!!)

・・聞き間違いなんかじゃなかった・・。

全身に電気が走るような衝撃。

俺は思ったよりも取り乱している。

人前で言うのはやめて

「あがり症」だった俺はあの感覚を思い出す。顔面に血液が上り紅潮していく感覚だ。

少しでも沈めるために、右手でジョッキをつかんでアルコールを求めた。

喉に流し込むが今年一番にマズい。

「な、なんで?俺たちまだ付き合ったばっかりじゃん。」狼狽えて言う。

魚「言いにくいんだけど・・正直に言っていい?」

隣に座っているサラリーマンの集団。一人くらいは聞き耳を立てているかもしれない。気が気じゃないわい。

(うわー!隣のカップルいきなり別れ話始めちゃったよ笑 コソコソ)

なぜ美味しいモツ鍋を食べようという瞬間に・・そしてこんな大勢の人がいる空間で別れ話をするのだろう・・。空気読め!

傷つくぅ!「他に好きな人ができたの」せめて嘘でコーティングしてくれ。

それにしても「言いにくい」ってなんだろう?

  • ハゲが生理的に無理
  • 最近出てきた加齢臭
  • コスプレや電マを使う変態っぷりが気に入らない
  • もともと好きじゃない

弱点ばかりの男だ。原因はいくらでも思いつく。

とにかく俺が傷つく率は高そうだ。

 

「・・わかった理由教えて。」

魚「それじゃあ言うね・・ふぅー!」

ドキドキが止まらない。

魚「あっモツ鍋煮えちゃってるね。ちょっと火加減弱くするね。」

ああ・・今回ばかりは彼女の気遣いがもどかしい。

俺はすでに食欲など失っていた。緊張で乾いた喉をビールで潤すばかりだ。

魚「これでよし・・じゃあ続きね。」

モツを味わう暇もなく。彼女は話しを再開した。

魚「実は・・好きな人ができたの。」

おいおい・・ベタなセリフだな。

でも現実世界の別れ話ではそれほど耳にすることのない言葉だ。

でもなぜだろう・・心が痛い。

人は嘘をつく。

できるだけ相手が傷つかないように・・そして出来るだけ事をスムーズに思った方向へと運ぶために。

彼女は正直者という事だろう。この場合の正直者はある意味残酷だ。

せめて優しい嘘でコーティングしてくれ・・。

 

(好きな人だと・・?人の彼女をたぶらかす間男が!ぶん殴ってやるぜ!)

 

俺はこみ上げる何かを抑え冷静を装う。そしてモツを頬張り濃厚なスープをすすった。

「ふーん・・そうなんだ。」

(あ、味がしない。)

彼女の憧れの人。勝ち目なし!間男は俺だった。

魚「ごめんね。好きになった人はもともとの友達で、ワタシその人にずっと憧れてたの。」

(憧れの人ってか・・反吐が出るぜ。チクショウこの尻軽女めが!)

俺は、ギリギリと奥歯を噛み締めた。

魚「それでYUちゃんとお付き合いすることになって9月に偶然その人にあったの。それからご飯に誘われて・・」

「・・言うな。」

魚「えっ?」

「それ以上言うな。皆まで言うな。」

俺のHPも残り少ない。あと一撃で天に召される所存である。

「う、うん。わかった。」

彼女がずっと憧れてた男。会ったことはないがここで彼女に何を言っても無駄だ。きっとそいつには敵わない。

間男はきっと俺だった。俺だったんだ。

魚女が本当の恋愛をするまでの間の男。

「あはは・・とりあえず美味しいモツ鍋食ってこれからがんばれよ。」

何をがんばるのかわからない。・・が俺ファイト!

モツ鍋をもう一口。

今度は何故だかしょっぱいんだなあ。

ーーつづくーー

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魚女の出会い話(冬編)

  1. 出会い系で知り合った女が実は既婚者だったという体験
  2. 彼女からの呼び出し
  3. 嫌な予感がする。そして彼女の口から出た言葉
  4. ベタな別れの言葉「他に好きな人ができたの」を食らう
  5. 別れ際、彼女が見せた最後の「ぶりっ子」
  6. 「もしかして元カノ?」LINEの「知り合いかも?」がきっかけで再会
  7. 2年半ぶりに会った彼女の変貌に驚く
  8. まるで昔見たいだね・・元彼女の手料理
  9. お前もか!彼女から聞かされる衝撃の事実
  10. 結婚ってなに?女遊びは男の甲斐性?不倫大国福岡
  11. 「私・・結婚します。」めでたいけど実はホラー

18 Comments

下種で下種

ある意味分かりやすいですな。

ベタな展開と言えばそれまでですけども。

百戦錬磨のYUTAROさんでもこういう展開になるんですな。

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YUTARO

せめてオブラートに包まれた感じで振られたかった・・。ちなみに僕ちゃんとした恋愛力は普通以下だと思いますw

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おでんさん

乳首が黒すぎだからって

その憧れの人に

振られたりして。笑

女は他にもいるではないすか。

山女シリーズ

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YUTARO

ふふふ・・続きがありますよw書くのはだいぶ先になりそうですがw
山女も近いうちに出てきますw

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プリンセス転校

他の女には手を出して

別れ話されたくらいでねぇ。

都合が良すぎませんか?

なんとでもなるでしょうよ!

女心わかっていないでしょうね

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YUTARO

女心がわかってたらこんなに失敗はしてないでしょうね~(泣)
確かに都合良すぎですwどんどんクズ化していきますw

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エボ

師匠

クズでも男の子・・・・ってね

短いけど長い人生、泣きたくなる事はいっぱい

女心がって・・・・わかったようなこというんじゃないね

どんだけ恋しても、どんだけ外道しても大量生産の一品のようなものはないはず

泣いて笑って出会って失って・・・

ここを読みにきてる御仁たちには、なかなか真似出来ない人生劇場

まだまだ読ませてくれるねぇ

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YUTARO

エボちんありがとう・・。
クズでも人間ですw
おっしゃる通り、人との出会いは一点ものですね。
欲張るのは良くないけど(泣)

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001

なんか。。。女の別れの言葉の常套句!
だったら。。。毎回毎回好きな人できて別れる!
浮気女ですなぁ。

もしや。。。兄貴の珍子が真っ黒くて嫌われちゃったかも?(笑

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YUTARO

僕の息子はそこまで染まってませんw先っちょは特にw
「他に好き」を食らうとマジで自信なくしますね・・。

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きんぞう

お初です。
Livedoorブログ時代から楽しく読ませてもらっています(^^)
よくあるセリフは「やっぱり前の人が忘れられないの」ですかな(´д`|||)

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YUTARO

ライブドア時代からとは・・めっちゃ嬉しいです。
>よくあるセリフは「やっぱり前の人が忘れられないの」ですかな(´д`|||)
正直者だけどこれを言われるとキツイですねえ・・。

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シンジ

乳首が黒すぎるから、結果良かった気が…
個人的には黒乳首苦手です!
あまり遭遇したことありませんが!

さて、そろそろ筑紫女の復活期待中!
料理が下手でも…笑

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YUTARO

黒乳首でもいい女だったわけです。(僕もあまり遭遇はしてませんが、北海道⇛福岡では明らかに色が違う気がします。)

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