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待ち合わせすっぽかし

出会い系失敗談!冷やかし?富山まで行ってすっぽかしされた!

待ち合わせすっぽかし

900キロの距離を越え、美人OLに会い来た!【富山出会い編】

俺は金沢を出発する。国道8号線を東へと進んで行く。うちのナビは馬鹿なのでこのルート少し遠回りだ。

福岡を出て三日目、走行距離はすでに900キロを超えている。

 

(・・喉が乾いた。)

今日は一日天気が良かったし、金沢で動き回ったので、いろいろと乾いている。

富山県に入り、「道の駅カモンパーク新湊」でソフトクリームを購入して食べる。この道の駅はなかなかオサレな道の駅だ。

 

(ああ・・うまい。・・甘い。)

ここからソフトクリームという食べ物にハマってしまい、旅の道中は、毎日のように食うことになる。

八年ぶりの富山市へ。

バイパスを進んで行くと、気がつけば富山市だ。アポの時間までは後一時間ほど。

富山市の市街地は、国道8号線から少し離れているので、いつも通りすぎることが多いが、市街地に入ってみると意外と都会だ。

ちなみに、YUTAROがこの富山で宿を取るのは、実に8年ぶりのこと。懐かしすぎて・・もう思い出せない。

 

今回の全国旅で余裕を持って目的地へとたどり着いたのは、初めてだ。一日に100キロ程度の移動なら、アポも観光も余裕を持って行動できるのだが、いかんせん日数と金がかかりすぎるのが痛い。

ホテルにチェックインすると、昼間にかいた汗を流す。俺は元気だ。万全の態勢でその時が来るのを待とう。

アポの時間が近づく。

・・午後7時前。もうすぐ女の子とのアポの時間になる。

 

「さてと・・富山ガールに会いに行きますか?」

俺は、勢いよく起き上がった。

 

「もうそろそろ出るよ。待ち合わせ場所は、富山駅にあるマリエ富山?で良いんだよね?」

今日会う相手にLINEでメッセージを送り、マリエ富山までのルートをもう一度Googleマップで確認する。

富山駅近くのホテルに泊まっているので、5分もあれば待ち合わせ場所まで行けそうだ。

 

「靴下よし!パンツよし!Tシャツよし!ズボンよし!上着よし!頭皮アウトオオ!」

威勢の良い声が部屋の中に響く。

相手はイククルで知り合った富山の色白美人

ということで、今日の相手のプロフィールをば・・。

名前:恨子

年齡:20代前半

出会ったサイト:イククル

YUTAROが苦手であまり使わない、出会い系サイト「イククル」でのアポ。写真を見るかぎり、美人で色が白い。職業はOLさんだ。今回の旅で会う予定をしている女性の中でも一番美人。富山に来るのは、ずっと待ち遠しかった。とにかく全力を尽くして行きたい所存でございます。

相手が美人だと遠くまで会いに行く!

ピコン!LINEの通知が来る。

恨「お疲れ様です。市電の線路を渡るとローソンが見えるます。ローソンの横に銀行のATMがあるのでその近くで待っててください。」

「おお!さっそく返事が来た。てか待ち合わせ場所の指定が細けえw」

ちょっと怪しいけど相手は美人だ!待ちきれないぜ!

相手が美人だとどれだけ遠くても、会いに行くのが男ってもんだ。

俺は、ホテルのルームキーを手に取り、部屋を飛び出した。重要なのは10分前行動だ。

待ち合わせ場所「マリエ富山へ」

マリエ富山ローソン

「夜は結構冷えるな・・もうすぐ11月だもんな。」

北陸の湿っぽく冷たい風に身を震わせる。富山駅の前を市電が走っていた。

この市電は富山の中心地をぐるっと、輪のように走っていて、その輪からいろいろな方角へと伸びている。

 

富山市街はコンパクトな街なので、市電の周辺に住むなら便利が良さそうだ。

 

「今日会う女の子と結婚するなら、市電の近くが良いかなあ・・。」

キモい妄想が止まらない。

 

「お!あれがマリエ富山のローソンか。」

市電の通っている横断歩道を渡り、待ち合わせ場所のローソンへ到着。やっぱり駅前だけに人通りが多い。

 

(ATMって・・これのことかな?不審者に見えないように少し離れて立っておこう。)

ここまでは世間知らずの若者のように希望に満ちていたのだ。・・ここまでは。

待ち合わせに女が来ないときの悔しさよ!

俺は、富山駅前のデパート「マリエ」にあるローソン前で行き交う女性を目で追っていた。

(・・まだかな?まだ来ないかな?)

(あの子かな・・声かけようかな?あっ・・行っちゃった。)

(あの女性は写メとは全然違うしなあ・・。)

写メの女が現れない。人通りが多い場所での待ち合わせは、俺に混乱を招く。

LINEの返事が無い!既読もつかない

「もう着きましたよ~恨子さんは着きました?」

「僕は黒のブルゾンに、青のハンチング帽被ってます。どこにいますか?」

LINE送ってみる。ここまで来るとできることはこれくらいしかない。

 

待ち合わせの時間から5分、10分と過ぎていく。

返事は無く、既読にすらならない。・・嫌な予感がする。

 

「・・せめて返事ください。(泣)」

LINEでこのメッセージを送る頃には薄々気づき始めている。

「すっぽかしの予感」だ。

すっぽかしと冷やかしは、マジ止めろ。

目をそむけたかったが、すっぽかしという現実がすぐそこでニヤニヤとこちらを見て笑っている。

 

(うう・・寒いよう・・。)

体もずいぶん冷えてきていた。弱いお腹が痛くなるのも時間の問題だ。

 

もしかすると、ネカマの冷やかしなのかもしれない。

今まで出会い系で冷やかしに会うことはほとんど無い。

だが、一度でも酷い目に合うと、出会い系を使うのが怖くなる。

人を信用できなくなって「ダークサイド」に落ちるのだ。こうして引退していった男達を何人も知っている。

・・だから、すっぽかしはマジで止めろおお!

ブスだから?無駄に働くネガティブな想像力

相手はコンビニで本を読む振りをして、戸惑う俺を見てほくそ笑んでいるのかもしれない。

なんかそんな気がしてきた。・・ク○が。

 

(いや・・待てよ。)

待ち合わせ場所に立つ、俺の容姿を確認して・・

 

(ブッサ!LINE拒否して帰るわ・・。)

という流れも有り得る。

 

どちらにしても、心へのダメージはでかい。空白の時間は、俺にネガティブな思考を植え付け、ちっぽけなプライドを奪っていった。

もう帰宅時間だ。眼の前を何度も市電が通過していく。

騙された?かすかな希望を信じて。

夜の空気と、緊張感が俺から体温を奪っていった。

とりあえずコンビニで暖を取りながら、立ち読みコーナーで女からの連絡を待つ。

 

「もう・・駄目だな。」

とうとう、待ち合わせの時間から30分が過ぎてしまった。

もう充分に待った。・・リングにすら上がれないとは残念だ。

 

「帰ろう・・。ローソンで晩飯を買って・・。」

俺はレジで会計をしている時も、LINEで相手を罵るメッセージを考えている。

 

(いや・・待てよ。もしかすると何か外せない用事があって遅れているのかもしれない。)

・・そうだ、きっとそうなのだ。

諦めきれない。美人が来るのだ!美人が来るはずなのだ!

「離婚率の低い県」でいつも上位に食い込んでいる富山の我慢強い女が、俺を騙すはずがない。

 

さっきから会うはずだった女の写真ばかりを見ている。

福岡から遠くの富山まで来たのだ、かすかな希望を信じよう。きっと分かり合える。

すっぽかし確定。「しょっぺえや」

(一旦ホテルへ戻ろう、近いから連絡があったらすぐに戻って来ればいい。)

俺はご親切にも、近くにいる事をLINEで知らせて、ホテルに戻った。冷やかし目的なら、相手は笑いが止まらないことだろう。

部屋に戻るとローソンで買ったどん兵衛にお湯を入れて、少し待機する。

待つのはもうたくさんだったが、どん兵衛は待たないと食べられない。

 

その間、LINEのメッセージを何度も確認した。女のLINEは既読はつかないままだ。

 

(あれ・・このどん兵衛・・いつもよりしょっぺえや・・泣)

どん兵衛を食い終え、タバコに火をつけ吹かすと、立て続けにもう一本をくわえた。

 

(この二本目を吸い終わったら・・諦めよう。)

タバコはフィルターに向かってジリジリと燃えていく。そして灰皿に押し付けられた。

 

「本当に・・本当に久しぶりのすっぽかしだ。」

今回のアポのすっぽかしが確定した瞬間だった。

「恨みます」こみ上げる怒り

いつでも起こりうることだ、覚悟が足りなかったのかもしれない。

 

相手に怒りをぶつけたところで、「冷やかし勢」や「ネカマ勢」は喜ぶだけだ。

アホのくだらない暇つぶしに付き合ってやったくらいに思うのが、心にも優しい。

 

(んあああああああ!!〇ねやああ!)

 

それでもふとした瞬間、発作的に怒りがこみ上げてくる。おれはホテルのベッドにヘッドバッドを繰り返した。

(忘れて・・明日のことだけを考えよう・・。)

俺は熱い風呂につかった。

 

(ちいいいいくしょおお!アイツ絶対◯す!)

それでも、なかなか怒りは収まらなかった。恨みます。富山。

忘れるためにはストレス発散!

旅は長い。こういうこともある。人を信じれなくなれば、この旅は続かない。

でも今日だけ出会い系を忘れよう。

 

・・ということで、ストレスを発散すべく、富山の夜の街「桜木町」へGO。

YUTAROは、外国人の「マッサージイカガデスカ-?」を躱しながら、1軒のキャバクラへ入店する。

キャバクラって楽しい!

キャバクラ

嬢の胸元が開いたドレスがセクシーだ。薄い焼酎が美味しい。

入れ替わり立ち替わり現れる、カワイイ女の子との会話。そこにはリアルがあった。

 

(スマホの向こうでニヤニヤ笑ってたオマエ・・見てる?俺は今楽しいぞ!)

 

嬢「一杯頂いてもいいですか?」

積み重なる嬢のドリンク(1000円)。やっぱりキャバクラは、心のオアシスだ。

 

ボーイ「お客様お時間です。ご延長は?」

「え?え、え、延長で!」

 

怒りも悲しみもすっかり忘れ、旅の予算すら忘れそうなYUTAROなのだった。

 

続く➡【新潟長岡の出会い】ぽっちゃり系美人とキス。その後は?