「え・・ウソ!」見違えるほど変わっていた彼女。
「来年までさようなら。」
エスカレーターを登っていく彼女(衛生女)の背中にそう告げて俺は博多駅を後にした。
筑紫女と会うにはまだ時間がある。彼女と別れたあと、チャリに載って一旦帰宅する。
「飛行機に乗り遅れないようにせねば・・。」
万全を期すためキャリーバッグの中身を確認した後、玄関へと持っていく。
そしてその上にFDA(フジドリームエアライン)の航空券を置いた。
「これでよし」
少し仮眠を取った後。シャワーで体を清める。
服を余所行きに着替えて、俺は家を出た。
待ち合わせ場所は、西中洲にある「力飯店」と言う店だ。
中華料理屋のような店名だが、実はちょっと焼き肉屋になる。
最初は天神で待ち合わせをする予定だったが、
「焼肉が無性に食べたい!」
という筑紫女のリクエストのもと、急遽店での待ち合わせとなった。
「やべえ・・ここ絶対に高いヤツやん・・。」
・・店構えが高級でござる。
ちなみにいつもは近所にある「ばかとあほ」というリーズナブル焼肉屋で煙だらけになりながら食っている。
やっぱり気楽なのが好きだ。
前もって筑紫女が予約してくれていたため、彼女の名字を告げると店員さんが案内をしてくれる。
「うわあ・・高いの確定やん・・。」
そう思いながら店内を歩くと、個室っぽい部屋に案内された。
筑「わあ!YUさんお疲れ様です!」
部屋に入ると筑紫女らしき女が声をあげた。
「・・・・筑紫女?久しぶり・・でも痩せたねえ・・。」
使い方が違うかもしれないが「見違えた。」
元々スリム体型(腹筋割れてる)で少し筋肉質だった彼女。
それが、さらに細くなり、引き締まった筋肉すら落ちてしまっている。
丸顔だったのに、頬はこけ落ち、顎のラインが尖っている。
・・・これはもうスリムというより「ガリ」だ。
いや「ガリガリさん」だ。
(え?え?なんかの病気?焼肉とか食べていいん?)
俺は不安になりながら彼女の目の前の席に腰を掛けた。
「ちょ・・ちょ!キミめっちゃ痩せとるやん!大丈夫?」
この際、早速聞いてしまおうと思った。デリカシーのなさが俺のウリ(短所)でもある。
筑「・・・実は・・。」
俺の目をじっと見て彼女が口を開いた。
・・きっとヘビーな話が待っていることだろう。