オラ東京さ行くだ!

彼女の口から出た言葉は意外な方向へ

▷「別れ」のクリスマス・イブ編の1話目を見る

「え?・・プレゼントいらんと?」

苺「そうじゃないと!・・話しがあると・・それ聞いてから(くれるかどうか)決めて欲しいったい。」

彼女の勿体ぶった言い方にイラつきと恐怖の感情が同時にやってくる。

 

(どゆこと?これって絶対別れフラグ立っとるがや・・。何もクリスマスを祝う席で切り出さなくても・・。)

(てか・・あれか?浮気がバレたか?いや二股に気づいたのか・・?だからこんな日にバイバイってか?)

 

思い当たる節がありすぎて・・さあ困った困った・・。・・とりあえず謝っとくべきか?

頭皮から汗が吹き出し、ニット帽に染み込んでいくのがわかる。俺の生理現象になかなか優秀な吸収力を持っている。

 

苺「話しても・・いい?」

彼女の真剣な眼差しと、少しおぼつかない口調から、『マジ感』が否が応にも伝わってくる。

 

「ちょ、ちょっとタンマ・・。」

これ以上この緊張感を味わうのはキツイ。いっそ楽になろうではないか。

俺はグラスに残ったワインを一気に流し込むと、ふううと一つ大きなため息をついた。

 

「よし!どうぞ何なりと言ってくれ!」

苺「あのね・・実は・・。」

 

(ああ・・これ他に好きな人できちゃったパターンじゃね?それか元カレと寄り戻すとか?)

ドキドキ・・想像だけが高回転で巡っていく。俺は続く言葉に息を飲んだ。

 

苺「私・・・・東京に行こうか思っとるったい・・。」

「・・・へ?東京?」

 

俺ら東京さ行ぐだ~♪

俺ら東京さ行ぐだ~♪

なぜか脳内で吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」が再生される。

まさか・・べこでも飼う気か?

 

「なんでまた・・東京さ?」

苺「私、東京の専門学校行こうと思って・・。」

「・・何の?」

苺「美容系の。」

あるあるじゃねえか!

 

「麻生さんじゃダメなんですか?」

「麻生さん」とは、福岡で「麻生グループ」のことを指す。今回の場合は麻生専門学校グループの意味合いだ。

苺「麻生じゃダメなの。」

「何でまた・・。」

苺「私ね。このままずっとカフェの店員やってて良いのかなって思ってて・・」

「ふむふむ・・。」

苺「んで東京でちゃんと勉強して、資格とか手に職付けようと思って。」

「美容系っていってもいろいろあるけど・・何になりたいの?」

苺「多分ネイリストとかエステ関係。あと英語を習いたいの。」

ソレ福岡でもできるやないかーい!なんか英語追加されとるやないかーい!六本木繰り出す気マンマンやないかーい!

 

それから彼女は東京に行きたい理由を熱心に語った。

知り合いの少ない環境のほうが、熱心に学ぶことが出来る事。希望の学校のカリキュラムや講師が良いとかなんとかだったりが魅力的な事。東京に憧れがあってただ単に住んで見たいこと。

 

(うむ・・・若い。)

だがよくよく考えてみると、俺がこれまで札幌や福岡に移住して来た理由の百倍くらい立派だ。

 

「んで・・いつ行くの?東京に。」

苺「入学は4月だと思うから、3月には行くと思う。」

「入試とかどうすんのさ?」

苺「入試はもう始まってるんだけど・・これから3月くらいまでやるみたい。」

 

苺女は、なんやかんや細かい事を教えてくれたが・・忘れた。

「じゃあ・・勉強頑張らないとだね。」

若さゆえの行動力が羨ましくもあった。俺には彼女を止める権利はない。(なんかすでに決定してるみたいだし。)

 

苺「うん。それで・・・。私たち・・。」

俺は再び彼女の言葉に息を飲むのだった。今は耳を塞ぐことも叶わない。

ーーーつづくーーー

( 3/5話目 )

苺女と会ったサイトを見る

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19 Comments

ホライズン

めっちゃシリアスな話も朝から笑わせてくれるyutaroさんを尊敬します笑笑
仕事頑張れそう!

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yuyu

東京さ行くだかーい!!
不覚にも笑いました(笑)
若いからこそ出きる決断と行動ですね。
やっぱりお別れ切り出されちゃうのかな?

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