雰囲気の濃い女と大名で飲む
人にはオーラというものがある。言い換えるとそれは雰囲気というべきだろうか。
所作、体格、顔、表情、姿勢、声etc。
様々なものが合わさって構築されている。
イケメンでも残念なやつはいる。太ってもモテるやつもいる。
一緒にいるだけで落ち着く人もいれば、イラつく奴もいる。
目の前の女性を見た時に俺の中で何かが強張った。
濃い。そして電話のままの低く色気のある声は強烈なオーラをまとっていた。
ビチ女の体中からフェロモンが吹き出している。
・・どうも話しかけづらい。出会い系で会った数多くの女性の中でも特殊なタイプ。
もしかすると俺の苦手なタイプかもしれなかった。
「あっどうも・・こんばんは。」
ビ「今日は宜しくお願いしますね(^o^)」
「あ、いや・・こちらこそ。」
ビ「あれ?電話の時よりテンション低くないですか?もしかして緊張してますか?」
会話を交わすとよく喋るタイプだ。
(しゅ、主導権を握られてなるものか!俺ももっと話さなければ・・)
「あっ・・わかります?僕こういうので会うの初めてでして!緊張してます!よろしくベイベ!」
精一杯おちゃらけて言う。
初めてなんて・・早速大きな嘘をついてしまった。実際は3桁だ。
いつもついてる嘘だし、事実を伝えれば変人扱いされることだろう・・。
ビ「へぇー。初めてなんですねー。意外です。」
「ビチ女は初めてじゃないの?」
ビ「初めてじゃないですよー!いままで五人に会いました」
この時は正直者と思ったが、この数字もまた嘘であることを後に気づく。
ビ「さてご飯いきましょーお腹減っちゃったし喉がカラカラ!」
ビチ女は思った以上に明るい。
最初に感じた蛇のような禍々しいオーラはなんだったのか?ただの気のせいかもしれない。
大名はあまり詳しくない。タブレットを持った案内員に店を紹介してもらう。(大名近辺にいる飲食店を紹介するバイト)
入ったのは半個室の焼き鳥屋だった。
さっそくビールで乾杯!
グビグビ!
喉の渇きが限界だったのですぐにジョッキをあける。
ビ「飲みっぷりいいですねー!お酒強いの?」
「強くはないけど、ペースは早いほうかな・・。ビチ女は?」
ビ「私も強くはないけど好きです。」
「おお!じゃあたくさん飲んでちょ!」
焼き鳥をかじりながらしばしのご歓談。
彼女のスラっとした外見と高価そうな服装。
そして彼女自体が焼き鳥屋では浮いている。
「なんか焼き鳥似合わないねえ~w普段エスカルゴとか食ってそうw」
ビ「えー!焼き鳥大好きですよ!ワタシ!久留米人だしw」
「え?そうなの?」
ビ「最近は焼き鳥と日本酒でキューっと行くのが流行りですw」
「お!いいね!じゃあ日本酒行っちゃう?」
ビ「いきましょ!すいませーん!久保田の千寿を冷で!」
こ、こいつ・・オッサンか?
これがいけなかった・・。
・・・・・
時間はあっという間に過ぎていった。
脱水状態から日本酒を飲んでしまったせいか、血中のアルコール濃度はうなぎのぼり。二人はあっという間に酔っぱらってしまった。
「その会った5人の男性とはなんもなかったん?」
ビ「5人じゃねーし!本当は10人だし!女の言う事を全部真に受けてんじゃねーよw」
(酒・・酒乱?)
「嘘かい!もう5人も10人も変わんねえよw」
ビ「4人とヤったった・・w」
「ロクでもねえなwク○ビッチやんwおっぱい見せてみ?」
ビ「(シャツをまくりあげて)ほれw」
「ええ乳しとるやんwてかホントに見せてんじゃねーよ!」
無駄に距離が縮んでいる。酒とはすごいものだ。
しかし俺はもはや彼女に女を感じない。
「その4人とは付き合うとかならなかったの?」
ビ「そういうのはなかった・・。なんでだろ?ちなみにお気に入りはおるとよw」
「いや・・俺に聞かれても・・。てか2年間彼氏いないっていってたけど、本当はどのくらい彼氏いないのよ?」
ビ「4年・・です。」
「いやー美人だし彼氏いそうだけど・・。」
ビ「みんなそういう・・でも付き合うまではなかなかいかない。」
「うーん理想が高いとか?」
ビ「それもあるかも。・・東京がいかんとよ!東京が!昔は真面目やったと!」
そして彼女は自分がビッチになった理由を語り始めた。
続く➡彼女がビッチになった理由