ハッピーメール体験談

クズ・ザ・スタイル

投稿日:2018年1月28日 更新日:

ジワジワ来るショック。でも俺って◯◯じゃん。

(寝れない・・。)

 

苺女は俺の隣でスースっと寝息を立てている。

鼻炎持ちの俺からすれば、冬のこの時期に呼吸困難にならないのは羨ましい。

 

暗い部屋の中で、彼女のシルエットが浮かび上がっている。

手探りに彼女の髪に触れようと思ったが、起こしてしまいそうなので止めた。

だからその影をずっと見つめている。

 

(二年か・・。)

 

あと三ヶ月もすれば、この影を見ることはずっと少なくなるだろう。

触れる彼女の少し冷たい足や、その髪の匂いが愛おしくて惜しい。

 

苺女が来年の3月に東京の専門学校へ行くという話しをした後、そして二人の関係が、遠距離恋愛になるという結論になった後に、彼女は安心した表情で、俺からのクリスマスプレゼントを受け取った。

満面の笑顔を見せながら、はしゃぐ姿に俺も嬉しくなった。

ちなみに彼女からのプレゼントは、ハットとマフラーとポール・スミスのパンツ2枚だった。

 

だが、その後はこれまでの二人の思い出だとか、これからの未来だとかが頭の中を侵食して、酔いも覚めてしまった。

苺女が心の内に秘めていた悩みは一つ消え、俺には悩みが一つ増えた気がする。

冷静を装っていても、俺にとってダメージの大きい悲報だったようだ。

 

(ん?痒い!かゆううううい!背中が突如かゆうううう!)

 

俺は左手を無理に折り曲げると、背中をボリボリとかいた。肩の辺りの骨がポキッと音を立てる。

風呂上がりには、苺女が背中を優しく掻いてくれた。

そして彼女が買ってくれた「メンソレータムADクリーム」を塗ってくれた。

この至福の時が失われてしまう。

 

(・・・ん?待てよ?)

苺女をとの思い出を惜しんでいると、もう一人の自分が顔を出す。

 

??(あれじゃない?メリットもあるじゃない?ほら・・苺女が東京に行くメリットをよく考えてみて!)

(あっ・・クズサイドの俺さんチーッス!)

打ちひしがれているメンタルにバランスをもたらす為に顔を出したのだろう。

 

(でもメリットって・・?)

クズ(ほら・・部屋とか毎日掃除しなくても良いじゃない?毛とかコロコロしなくて良いじゃない?苺女と衛生女どっちのシャンプーだったっけ?とかどっちの洗顔料だったっけ?ってわからなくなることも無いじゃない?)

(確かに・・それは楽だ。)

クズ(もうコソコソしなくても良いじゃない・・?博多駅にも大手を振って行けるじゃない?)

(それは・・寿命が伸びますわ。)

 

クズ(あなたは今までもこれからも・・・・クズなんだから。)

 

あ・・・そうか。・・そうだった。

 

急に睡魔がやって来る。

瞼がズンと重くなり、目の前にあった影が消えていく。

 

今日はクリスマス・イブ。彼女に会う日だ。

ーーー終わりーーー

  • この記事を書いた人

YUTARO

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