あなた大殺界よ!今は見ぬ彼女に思いを馳せる
「あなた・・大殺界よ!」
この頃には既にTVから「消えてしまった」あの人・・今はどこで何をしているのだろう?
運勢にアップダウンがあるとしたら、2010年は俺にとって「大殺界」だったように思う。
書き忘れていたが、6月には階段で転んで「右手を骨折」をした。・・痛かった。すごく痛かった。
冷や汗が止まらず、痛みで吐き気がした。
とにかく2010年は「胃痛に始まり」、「タヌキ女と別れ」、「結婚破棄」で「骨折」というスペシャルコンボだ。
いままで様々な紆余曲折を乗り越えてきたが、今年のはビックウェーブすぎる。
その全ての元凶が大阪子であるような気がしてならない。(半分はそうだけど)
彼女は大殺界の権化なのではないだろうか?・・結局大殺界がなんなのかわかんないけど。
俺は、「ストレス」と「骨折」で体は大量のカルシウムを欲していた。
「オラ・・もう・・いろいろ疲れたよ・・。」
出産予定日だよ!理想と現実はこんなにも違うけど待ち遠しいね!
毎日そんなことをつぶやきながら8月の中旬になってしまった。
既に大阪子の「出産予定日」を過ぎていた。
俺はまだかまだかと「DNA検査キット」をリハビリ現在進行形の右手に持ちながら、大阪子の出産を待っている。札幌に向かう準備はあらかた整った。
近所にある「西松屋」で赤ん坊の服を数着購入した。それは俺の衣服に紛れてキャリーバックの中に収められた。
西松屋って凄いのね・・安いし助かるわあ。
「ヒーヒーフー、ヒーヒーフー!」
医者「はい!いきんで!」
嫁「ヒーヒーフー!フーフー!」
「嫁!頑張れ!頑張れ!」
ンポコ!
看護師「おめでとうございます!元気な赤ちゃんですよお!」
「嫁!デカした!デカしたぞお・・うう・・これが俺の子供かあ・・(泣)」
俺にとって出産とは大まかにこんなイメージだった。TVってヤツは本当にもう・・変なイメージ植え付けやがって!
だが現実は違う。俺は出産に立ち会うどころが彼女が出産する病院の名前すら教えてもらっていない。
「大丈夫か?出産の立ち会いはまだしも、準備とか入院中の手伝いとか・・。そっちに頼れる友達とかいるの?」
俺は大阪子にそう伝えた。だって子供は別腹だからね。
そして彼女はこう言った。
「大丈夫!大丈夫!実家のお母さんが手伝いに来てくれるし、産んだらスグに退院できるらしいから。」
ここで「実家」と「お母さん」を持ってくる彼女の演出が憎い。・・悶絶したわ。
大阪子の話が「本当か嘘か」は別として、雑な女だ。
とにかく彼女と子供と再会するのは「出産後」ということになっている。大事を取る形で母体や赤ん坊に問題がなければ産まれて2週間後に会うことになっている。
もうそろそろ「陣痛」とか「破水」とか来るんでない?順番わからんけど。ヤキモキしながら彼女からの連絡を待っていた。
そして今日も夕飯にカップラーメンをすすっている。カルシウムが足りない。
「んん?メール。」
大阪子からだ。とうとう始まったか?陣痛が・・。YUTAROは身構えた。
写メ画像付きのメッセージであった。
大「8月○日に無事産まれました!元気な女の子だって!私も元気です!寝顔見て!めっちゃ可愛いでしょ~!ヽ(*´∀`)ノ」
「・・え?産まれた?・・・8月○日って1週間前じゃねえか!」
蹴り飛ばしたキャリーバックが床を滑っていく。